「あの時ホールドしていれば、あと100pips取れてたのに…」
「でも怖かったんだよ。建値に戻ったら嫌だと思って…」
FXトレードをしていると、こんな“心の声”に何度も悩まされませんか?
エントリー直後に含み益が出た。
でも、相場が反転して建値に戻り始め損切が怖くなってチキン利食いで決済。
その直後に相場がグングン伸びていく。

あぁ…もう!なんで毎回、自分が利確したあとに伸びるんだ!
もうそんな経験、数え切れないほどしてきた──という方へ。
この記事では、「感情で手仕舞いしてしまう」クセを克服するための“3つの仕組みと思考法”をお伝えします。
感情を無理に押さえ込む必要はありません。
私自身も、感情によって薄利で決済してしまい、
「こんなはずじゃなかった」と後悔を繰り返してきました。
でもある日、1枚の“右肩上がりのグラフ”が、
私の中の判断回路を根本から変えてくれたのです。
この体験と、そこに至るまでの検証と工夫を、
1つずつ丁寧にお話しします。
もしあなたが今、
「チキン利食いを卒業したい」
「もっと利益を伸ばしたい」
そう願っているのなら──
最後まで読んでいただければ、きっとヒントが見つかるはずです。
第1章|そもそも「チキン利食い」とは? どこまでが早すぎるのか?
「チキン利食い」とは、本来もっと伸ばせるはずの利益を、怖さや不安から早めに確定してしまう行為を指します。
言い換えれば、感情によって“狙うべき利益”を諦める行動です。
たとえば──
「リスクリワード比1:3を狙っていたのに、+15pipsで利確してしまった」
「相場が伸びそうなのに、『建値に戻るのが怖い』と20pipsで手仕舞った」
このように、決済の根拠が“値幅”や“ルール”ではなく、“恐怖や焦り”になっている状態がチキン利食いです。
✅ どこまでが“早すぎる”のか?という疑問に答えます
ここで多くの人が悩むのが、「じゃあ何pipsで利確すれば早すぎじゃないの?」という疑問です。
結論から言えば、「何pipsで利確したか」ではなく、
“その利確があなたのルール通りだったかどうか”が判断基準です。
たとえば、
- 事前に「+20pipsで利確」と決めていて、その通りに利確したなら、それはチキン利食いではありません。
- 逆に「+60pips狙い」と決めていたのに、不安から+20pipsで逃げたのであれば、それはチキン利食いです。
同じ20PIPSでも「チキンかどうか」を決めるのは、結果ではなくプロセス。
あなたが“計画的に”利確したのか、“感情で”逃げたのか──ここが最大の分かれ目です。
✅ 私の体験:利確の判断基準が「損をしたくない」にすり替わっていた
私自身、典型的な「チキン利食い」というよりも、
「建値に戻って損切になるくらいなら…」
→ だから早く利確する
というタイプでした。
チャートを見ながら徐々に含み益が減少し恐怖に支配され
含み益があるうちに逃げてしまう。
本来の目的が“利益を伸ばすこと”だったのに、
いつの間にか「損を避けること」にすり替わっていたのです。
これは実は、多くのトレーダーが陥る“防衛本能型チキン利食い”の典型です。
✅ 利確の判断が「感情依存」になっていないか、まずは振り返ろう
あなたがこの記事を読んでいるということは、
「自分はチキン利食いしているのかもしれない…」と感じているはずです。
そんな時は、自分の最近の利確を思い出してください。
- 「決めていたTPまで我慢できませんでしたか?」
- 「怖さ・不安・焦りで“予定外の利確”をしてしまいましたか?」
この問いに「YES」が多いなら、感情判断のクセを直す準備ができている証拠です。
安心してください。
感情はなくせませんが、感情よりも強い“仕組み”を作ることは誰でもできます。
次章では、チキン利食いの主な原因と、感情に負ける構造について掘り下げていきます。
第2章|チキン利食いの原因|感情? それとも“仕組みの欠如”?
FXで利益を伸ばせない原因として、多くの人はこう考えます。
「自分はメンタルが弱いからだ」
「感情を抑えられない性格なんだ」
でも本当にそうでしょうか?
実は──感情に支配されるのではなく、“仕組みが存在しない”から感情に頼らざるを得ないという場合がほとんどです。
ここでは、チキン利食いが起きる本当の原因を、「心理的な要因」と「構造的な欠落」に分けて見ていきます。
✅ 心理的な要因(感情による判断)
① 含み益を失いたくないという“痛みの記憶”
- 一度、含み益から建値や損切に戻った経験があると、その記憶が焼き付いている
- →「また同じことになるんじゃないか」という不安が先行する
② 損失の回避=安心という脳の習性(プロスペクト理論)
- 人は「得すること」より「損を回避すること」に強く反応する
- 含み益はまだ“未確定の利益” → それが減るのは心理的に「損」として扱われる
③ 他人と比較することで焦りが生まれる
- SNSで「+100pips利確!」という投稿を見た直後に、自分の+20pipsが“小さく感じる”
- 焦りから感情判断になりやすい
✅ 構造的な欠落(仕組みの不在)
④ 利確ルールが存在しない(=毎回“感覚”で決めている)
- 「ここまで上がったから、そろそろ…」という曖昧な決済
- TPの設定がない/入れていても守れない
⑤ 値幅の把握がない
- 自分の使っている時間軸・通貨ペアの平均的な値幅を知らない
- → どこまで狙っていいか分からず、含み益が出ると“もうこれで十分かも”と感じてしまう
⑥ 勝てるルールを“証明した経験”がない
- 自分のルールに「これで勝てる!」という確信が持てていない
- → チャートがちょっと逆行しただけで「このルールダメなんじゃ…?」と疑って手仕舞う
✅ 感情ではなく「根拠がないこと」が問題だった
つまり──
感情で決済しているように見える行動の多くは、
実は「根拠となる仕組みが不在」だから感情に頼るしかない状態なのです。
感情は誰にでもあります。
でも、その感情に振り回される人と、上手く付き合っていける人の違いは、“代わりに頼れる判断基準”を持っているかどうかにかかっています。
✅ まずは「自分にとっての判断基準」が存在しているかを確認しよう
- 利確幅は毎回“なんとなく”で決めていないか?
- 目標のPIPS数は時間軸に合っているか?
- エントリーから決済まで、ルールとして一貫性があるか?
- 「怖いから利確した」以外の明確な根拠があるか?
✅ 次章では、「その根拠となる仕組み」をどう作るかを解説します
チキン利食いを克服する第一歩は、「自分の判断が間違っている」と責めることではありません。
そうではなく──
“安心して従える仕組み”を、ルールとして構築することです。
次章では、その仕組みづくりの出発点である「勝てるルールの作り方」について、具体的な方法をご紹介していきます。
第3章|【考え方編】仕組みでチキン利食いを克服するとは?
チキン利食いを克服するには、「メンタルを強くすること」が必要だと思っていませんか?
でも実は、感情に打ち勝つために必要なのは“強さ”ではなく“仕組み”です。
感情は誰にでもあります。怖いと思うのは自然な反応です。
しかし、怖くても「これを繰り返せば儲かる」という仕組みを持っていれば、感情に左右されることなく行動を選べるようになります。
この章では、その「仕組みの考え方」について、FX初心者でも理解できるようにお伝えします。
✅ じゃんけんでお金を儲ける方法を考えてみてください
仮に、あなたと私がじゃんけん勝負をしたとします。
ルールはこうです。
- あなたが勝てば、私から1万円もらえる
- 私が勝てば、あなたは私に5,000円払う
勝率はお互い50%ずつ。
この勝負、何回でもやっていいとしたら、あなたは参加したいと思いますか?
そして、この勝負を繰り返す事で生じる負けが発生した時に恐怖を感じますか?
✅ 期待値で考えれば「勝負するほど儲かる」ことがわかる
期待値を計算してみましょう。
1万円(勝ち)× 50% − 5,000円(負け)× 50% = 2,500円
この2,500円は、1回の勝負あたり、あなたが“期待できる平均利益”を意味します。
つまり、勝っても負けても、回数を重ねれば儲かっていく仕組みなのです。
✅ FXにも「勝てるじゃんけんルール」が存在する
FXトレードも、この期待値の原理に基づいて行動することができます。
たとえば──
- エントリーしたら、TPを100pips、SLを50pipsに設定する(リスクリワード比1:2)
- 勝率が40%でも、トータルでプラスになる(※期待値=+10pips)
これが「感情に関係なく利益が積み上がる仕組み」の基本形です。
勝ち | +100PIPS |
勝ち | +100PIPS |
勝ち | +100PIPS |
勝ち | +100PIPS |
負け | -50PIPS |
負け | -50PIPS |
負け | -50PIPS |
負け | -50PIPS |
負け | -50PIPS |
負け | -50PIPS |
合計 | +100PIPS 平均+10PIPS |
✅ 利益を伸ばせる人は、「勝率」ではなく「期待値」で考えている
チキン利食いをしてしまう人は、「負けたくない」「含み益を失いたくない」という感情ベースの判断に引っ張られています。
一方で、利益を出せる人は、「個々の勝ち負け」ではなく、「全体でどうなるか」に視点を置いているのです。
✅ 感情ではなく仕組みで動くとは、こういうこと
これは、「感情がない人」になったわけではありません。
仕組みが感情よりも優先されている状態をつくっただけなのです。
✅ あなたにもできる。「まずは1つの勝てる仕組み」をつくることから
あなたが「ここで買えば勝てる気がする」と思った場面を、
ルール化して、再現可能な仕組みに変えていきましょう。
次章ではその第一歩として、「勝てるルールをどう作るか?」を、実際の手順でお伝えします。
第4章|【実践編①】まずは“勝てるルール”を作るところから
「感情ではなく仕組みで動く」と言われても、
「その“仕組み”ってどう作ればいいの?」という疑問が浮かびますよね。
その答えはシンプルです。
あなた自身の手で、“勝てる現象”を過去チャートから見つけて、言語化すること。
ここが、感情を克服するための土台になります。
✅ ステップ①:「ここでエントリーすれば勝ててた」場所を探す
まずは過去チャートを開き、以下のような視点で見てください。
- 「この場面、トレンドが始まっている」
- 「この形、反転の初動っぽい」
- 「このインジケーターの交差で価格が動いている」
このとき大切なのは、感覚で終わらせないこと。
「なぜここで上がったのか?」「再現性はあるか?」を意識しましょう。
✅ ステップ②:そのエントリーポイントを“ルールとして言語化”する

過去チャートで「勝てる場面」を見つけたら、
それを文章でルール化してみてください。
たとえば、私のルールのひとつはこうです。
「ドル円8時間足に9MAを表示させ、ローソク足が9MAを上に突き抜けたらロング、下に突き抜けたらショート」
これだけで、エントリーの基準が“感情”ではなく“条件”になります。
✅ ステップ③:そのルールで、過去チャートで何度も検証する

ルールができたら、それを実際に過去チャートで模擬トレードしていきます。
- エントリー位置
- 利確・損切位置
- 勝ち/負け
- 獲得pips数
これらをGoogleスプレッドシートなどに記録していくと、数字の裏付けが取れた“期待値のあるルール”が完成していきます。
✅ なぜ、チキン利食いの克服にルールが効くのか?
それは──
「このルールは長く続ければ勝てる」という“脳が納得する根拠”になるからです。
人は、正解がわからない場面で最も不安になります。
そしてその不安が、“もう利確してしまおう”という逃げの感情を生むのです。
しかし、過去検証により「このルールを100回繰り返せばプラスになる」と確信できていれば、
一度の損切や一時的な逆行では動じなくなります。
✅ 感情トレードが起きる本当の原因は「ルールがない」ことだった
- 「なんとなく上がりそう」でエントリー
- 「思ったほど伸びない…怖い」で早期決済
- 「ルールじゃないから、手応えがない」
- → これが“チキン利食い”の典型パターンです
✅ 自分のルールを持てば、感情があってもブレなくなる
大切なのは、「感情を消すこと」ではなく、
「感情とは別の基準を持つこと」。
ルールがあるだけで、トレードは格段に安定し始めます。
ルールの強さは、手法の派手さではなく、“再現性”と“検証実績”で決まるのです。
✅ 次章では「値幅の理解」で、利確の“迷い”を解消する方法を紹介します
「このルールで入れば勝てる!」と確信できたとしても、
「じゃあ、どこまで利益を伸ばせばいいのか?」が曖昧だと、やはり不安が残ります。
そこで次章では、通貨ペアと時間軸の“値幅”を活用して、利確目標を明確化する方法を紹介します。
第5章|【実践編②】値幅を知れば、利確の基準が明確になる
チキン利食いをしてしまう大きな理由のひとつは、
「どこまで利確を引っ張っていいのかわからない」という、目標の不明確さです。
目的地が見えない旅では、少し進んだだけで「このへんで引き返しておこう」と不安になりますよね。
トレードでも同じことが起きているのです。
✅ 利確の迷いは「目標のなさ」から生まれている
- TPを“何となく”で決めている
- 相場が伸びたら「まだまだ上がるかも」と悩み、
- 少し戻ると「やばい、建値に戻りそう」と焦って利確
このような状況は、あらかじめ「値幅の常識」が頭に入っていれば防げます。
✅ 値幅とは、“その時間軸で動く平均的な距離”のこと
たとえば、私がドル円を週足で見ていたとき──
13週分の平均値幅を算出したところ、約300pipsありました。
ということは、週足トレードであれば、300pips前後動くポテンシャルがあるということ。
この場合、利確目標は180pips(60%程度)に設定するのが自然です。
逆に、300pips動く可能性があるのに、+30pipsで利確していたら──
それは感情に飲まれているか、値幅を把握していない証拠です。
✅ 時間軸と通貨ペアによって“狙える利幅”は変わる
以下は一例です。
時間軸 | 想定平均値幅(ドル円) | 適切なTP目安(60%) |
---|---|---|
1時間足 | 約20〜30pips | 12〜18pips |
4時間足 | 約50〜80pips | 30〜50pips |
日足 | 約120〜180pips | 70〜110pips |
週足 | 約250〜350pips | 150〜200pips |
この数字を知っているだけで、含み益10pipsでの“謎の焦り”は激減します。
✅ 利確ポイントを「直感」ではなく「数値」で決めよう
トレードは最終的に数字のゲームです。
- 勝率
- リスクリワード
- 値幅
- 損切/利確幅
これらをすべて“定量的”に把握することで、主観(感情)に頼らない判断が可能になります。
✅ 値幅を知るための3ステップ
- 取引する通貨ペアと時間軸を決める(例:ドル円4時間足)
- 直近のローソク足10〜20本の高値−安値を測定
- 平均値を出し、その60%をTPの初期目安にする
この手順を繰り返すことで、「どこまで狙っていいのか」が自分の中で明確になっていきます。
ヒストリカルデータをMT5で表示・ダウンロードする方法

- MT5を開いたら、上部メニューの「表示」をクリック
- 「銘柄」を選び、表示させたい通貨ペアをクリック
- 上部のタブから「チャートバー」を選択
- 表示させたい時間足(例:1時間足、8時間足など)と期間を選択
- 「情報呼び出し」ボタンをクリック
すると、指定した条件でヒストリカルデータが一覧表示されます。
その後、画面下にある「バーをエクスポートする」ボタンをクリックすれば、
CSVファイルとしてダウンロードが可能です。
ダウンロードしたCSVファイルの活用方法
ダウンロードしたCSVは、GoogleスプレッドシートやExcelで開くことができます。
このデータには、「始値・高値・安値・終値」がすべて含まれているので、
たとえば自分が使っている移動平均線とローソク足の関係を数値で比較することもできます。
✅ 値幅は“利確の不安”を打ち消す最強の指標になる
- TPが明確 → 感情で悩まない
- TPが妥当 → “まだ伸びるはず”という根拠になる
- TPが一貫 → 検証ができ、期待値も算出可能になる
✅ あなたの“利確のゴール”は、もう目の前にある
最後にお伝えしたいのはこれです。
値幅を知ることで、あなたのトレードは「曖昧な旅」から「目的地のある行動」へと変わります。
そしてそれは、チキン利食いを克服する最大のカギです。
次章ではいよいよ、感情ではどうしても利確してしまう…そんな人の“最後の壁”を突破する視覚的テクニック──
累計PIPS数を使った「右肩上がりのグラフ」による“脳の書き換え法”をお伝えします📈
第6章|【実践編③】“視覚”が感情を超える!累計PIPSグラフで脳を書き換える
ここまで、仕組みの力・ルールの作成・値幅の把握という「構造」の整え方をお伝えしてきました。
しかし、それでもなお──
「分かってはいるのに、なぜか利確してしまう」
「TPに届くまで待てない。怖くて、手が勝手に…」
そう悩む人は多いはずです。
それは、感情がロジックを上書きしてしまうから。
でも、安心してください。
感情に支配されそうになったときに、“視覚”で脳に働きかける方法があります。
✅ 「ルール通りで利益が出る」と脳が納得すれば、感情より理性が優先される
私自身、以前はTP210pipsを設定しているのに、抵抗線に反発されるのでは?と不安になり、つい利確してしまうことがありました。
「また建値に戻ったら嫌だ」
「せっかくの利益を失いたくない」
頭では「TPまで待つ方が有利」と分かっているのに、手が動いてしまう。
結局、その時手仕舞いしたポジションはTPまで伸びて行きました。
そんな時期に、ある“視覚的な体験”が私を変えました。
✅ 過去検証データの累計PIPSをグラフ化したら、全てが変わった
私は過去チャートで模擬トレードを繰り返し、ルール通りに記録した獲得PIPSをGoogleスプレッドシートでグラフ化してみました。

すると、表示されたのは──
右肩上がりに伸び続ける1本の折れ線グラフ。
その瞬間、私の中の何かが変わったのです。
✅ 視覚による“確信”は、理屈より強い
この右肩上がりのグラフを見て、脳はこう理解しました。
「このルールで続ければ、間違いなく資産は増えていく」
「損切になっても、感情的な利確をするよりマシだ」
「怖くても、このルールに従って大丈夫」
もはや、「TPに届くまで我慢する」ことに理由が要らなくなりました。
視覚で“証拠”を見た脳は、感情より強くルールを信じられるようになったのです。
✅ 【実践手順】累計PIPSグラフで脳を書き換える方法
🔹ステップ①:ルール通りに模擬トレードをする
- 過去チャートを使って、エントリールール+TP/SLルールを固定した状態で検証
- エントリー日時、獲得PIPS数、勝敗を記録(GoogleスプレッドシートなどでOK)
🔹ステップ②:累計獲得PIPSを数値化し、グラフ化する
- 各トレードの獲得PIPSを「前回までの累計PIPSに加算」していく
- 折れ線グラフにすれば、資産の増減がひと目でわかるようになる
🔹ステップ③:右肩上がりのグラフが出れば、それは“信頼できる仕組み”の証拠
あなたの脳は、感情ではなく「視覚による結果」で判断を切り替え始めます。
これが、「感情による利確」から「ルールによる利確」へと進化する重要な転機になります。
✅ 感情は消えない。でも“別の判断回路”ができれば、感情に勝てる
ここで大切なことをお伝えします。

感情がなくなるわけではありません。
私は今でも、エントリーするときは怖いですし、ホールド中は不安になります。
損切になれば、やっぱり腹も立ちます。
でも、感情とは別の判断基準が脳内に並列処理されていて、最終的に“ルール通りに行動する自分”が選ばれるようになるのです。
これは「理屈」ではなく「体感」であり、「信じる」ではなく「見て納得した」からこそ可能になる変化です。
✅ 右肩上がりのグラフは、“過去のあなた”からのメッセージ
「ルールを守れば、こうやって利益は積み上がるんだよ」
「負けても、グラフの1つの点に過ぎないよ」
それを、過去のあなたが現在のあなたに向けて残してくれる。
それがこの累計PIPSグラフです。
✅ 次章では、感情に勝つのではなく“感情と共存する方法”を紹介します
ここまで来たあなたなら、もう「感情が悪い」と責める必要はありません。
次章では、「感情を持ったままでも、チキン利食いを克服できる」という、新しいトレードの考え方を紹介していきます。
第7章|感情はなくならない。でも並列処理ができれば問題ない
「怖い」「損したくない」「また建値に戻るかも」
──そんな感情がトレード中に湧いてくるのは、あなたが真剣にFXに向き合っている証拠です。
でも、ひとつ覚えておいてほしいことがあります。

チキン利食いを卒業するのに、“感情を消す必要はない”ということです。
✅ 感情を抑え込もうとすると、むしろ判断がブレやすくなる
トレード中にこう思ったことはありませんか?
- 「感情なんて持っちゃいけない」
- 「冷静になれ、自分は機械だ」
- 「欲張ったら負ける、怖がったら負ける」
これらは一見“正しい姿勢”のように見えますが、実は逆効果になることもあります。
なぜなら──
感情を無理に抑え込むと、そのエネルギーが判断の鈍りとして返ってくるからです。
✅ 感情は湧いてきてもいい。ただし「判断を委ねない」こと
ここまでの章で解説してきた通り、
感情を抑えるのではなく、感情と“共存”しながら、それとは別に判断基準を持つことが重要です。
たとえば、次のような並列思考を自分の中に持つことができます。
🔸感情の声:
- 「怖い…もう利確しようかな…」
- 「せっかく+15pips乗ってるんだから逃げたい…」
🔹もう一つの声(ルールの声):
- 「でも、まだTPまで60pipsある」
- 「このルールで続ければ、長期的にプラスになる」
- 「累計グラフも右肩上がり。今はその途中に過ぎない」
このように、感情とは“もうひとりの自分の声”であり、冷静な判断基準と共存できる状態こそが理想なのです。
✅ 感情を責めない。ルールを信じる環境を整える
私自身、感情を責めていた時期はトレードがどんどん苦しくなりました。
- 「また感情で利確しちゃった…」
- 「本当に自分はメンタルが弱い…」
- 「向いてないのかも…」
でも、累計PIPSグラフを見て「自分のルールは正しい」と実感できるようになってからは、
感情が湧いても、“ああ、また来たな”くらいで流せるようになったのです。
✅ 【実例】感情と共存しながらトレードした記録
ここで、私自身のトレード記録をもとに「感情を持ちつつ、ルールで判断する」実例を紹介します。
エントリー時の不安

2025年7月24日22時のドル円8時間足チャート。ローソク足が9MAを上に抜けて確定し、ロング条件が揃った状態でした。
でも私はこう思っていました。

9MAは右肩下がりなのに、ここから本当に上昇するの?
不安はありましたが、ルール通りロングエントリーを実行しました。
ホールド中の恐怖

22時にエントリーした直後、円高が40PIPS以上も進行し

最悪…SLに引っかかるかも
と、恐怖を感じました。
ですが、その感情を押し殺すのではなく、「TPに到達するまでホールド」というルールに従ったのです。
結果、翌朝6時、ローソク足は下ヒゲのある陽線で確定。
チキン利食いの感情すら湧かなくなる

そのままホールドを続け、22時には含み益が100pipsを超えていました。
以前なら「ギャップが気になるのでもう利確して逃げよう」と思っていたはずの場面でも、“TPにまだ届いていないからホールド”という判断が自然にできているのです。
この状態こそが、“感情よりルールを優先する脳の回路”が働いている並列処理状態なのです。
✅ 「感情を消す」から「感情が湧いても判断を変えない」へ
チキン利食いを克服するとは、
感情を完全になくすことではなく、
感情を持ったままでも“正しい行動”を選べるようになることです。
それがまさに、感情と理性の“並列処理”です。
脳内に複数の判断回路があり、最終的に“ルール通り”という正しいレールに乗る。
この状態を作ることが、チキン利食いを乗り越え、トレードの本質へと近づくステップなのです。
✅ 次章では、この記事全体の要点を整理し、“行動に移すための3ステップ”を紹介します
感情を受け入れながらも、行動を正しく選べるようになるには、
「仕組み」「数値」「視覚」の3つを使った戦略的な実行ステップが欠かせません。
次の最終章では、これまでの内容を振り返りながら、
あなたが「明日から何をすればいいか」が明確になる3ステップを紹介します😊
第8章|まとめ|感情に頼らないための3ステップ再現戦略
ここまで、FXトレードにおける「チキン利食い」の克服法について、考え方・仕組み・実践手順に分けてお伝えしてきました。
おそらく、この記事にたどり着いたあなたは──
- 含み益を失うのが怖い
- TPまでホールドできない
- 感情に支配されて利確してしまう
そんな経験を、何度も何度もしてきたはずです。
でも、安心してください。

あなたが負けていた原因は「感情」ではなく、「感情より強い仕組みがなかったこと」です。
そして今、あなたはもう感情に“頼らずとも判断できる道筋”を手に入れました。
✅ 感情に負けず、ルールで利益を伸ばすための3ステップ
🔸ステップ①|勝てる現象をチャートから探し出し、ルールを言語化する
🔸ステップ②|取引時間軸と通貨ペアの平均値幅から、現実的なTPを設定する
🔸ステップ③|模擬トレード→累計PIPSグラフ化で、脳に“視覚的な確信”を与える
✅ 最後に──チキン利食いは「弱さ」ではない。「仕組みの不足」だっただけ
あなたが今まで苦しんできたのは、性格のせいではありません。
メンタルが弱いからでもありません。
感情に対抗できる“構造”がなかっただけです。
その構造は、仕組みとして作れます。
そしてその仕組みは、あなた自身が、過去チャートと数字を使って“証明”することができます。
✅ 明日からできる「最初の一歩」
- 今日これを読んだあと、過去チャートを開いてみてください
- 1つだけ「ここで入って、ここで出たら勝ってた」という場面を見つけてみてください
- そしてそれを、1行のルールにしてみてください
たったこれだけでも、あなたの中にある“感覚頼りのトレード”が“ルールに基づいたトレード”へと変わる第一歩になります。
✅ もう大丈夫。あなたの手で、感情に支配されないトレードを作れます
- 感情はあっていい
- 不安を感じてもいい
- 怖くても、怒っても、迷ってもいい
でも──

「TPまでホールドする」というルールを実行できるようになった時、
あなたは、もう“チキン利食いから卒業した”トレーダーになっているはずです。
🎉 チキン利食い克服マニュアル、ここに完結!
次はあなたの番です。未来のグラフを右肩上がりに描いていきましょう📈