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BTCとドルが同時に動いた理由とは?逆相関が崩れた3月相場をFX視点で読み解く

ビットコイン(₿)と米ドル($)のシンボルが同じ方向に動く様子を描いたデジタルイラスト。中央には稲妻のエフェクトがあり、通常の逆相関とは異なる“同調”を表現。背景にはローソク足チャートや市場の緊張感を示すグラフが薄く描かれている。 USD/JPY 最新ニュース
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通常、ビットコイン(BTC)とドルインデックス(DXY)は「逆相関」の関係にあるとされます。ドルが買われればBTCは売られ、ドルが弱ければBTCがリスク資産として買われる——そんな構図がトレーダーの間で共有されてきました。

しかし、2025年3月。この常識が覆るような“同時下落・同時反発”の動きが発生しました。
相場の地合いを読み解くために欠かせないはずの相関関係が崩れた背景には、一体何があったのでしょうか?

本記事では、BTC/USDとDXYのチャートを比較しながら、マクロ指標・市場心理・トレード戦略への影響をFX視点で丁寧に解説します。

✅ 要点リスト

  • BTCとDXYが通常“逆相関”になる理由と過去の傾向
  • 2025年3月相場における異例の“正相関”現象の詳細
  • 20日移動平均線が果たした共通のテクニカル的役割
  • ISM・FOMCなどのマクロイベントとの関係性
  • FXトレーダーが今後の地合いを読むための実践的ヒント

🔄 通常の関係性:BTCとDXYは“逆相関”が基本

ビットコイン(BTC)とドルインデックス(DXY)は、一般的に「逆相関」の関係にあるとされています。
これは、DXY=米ドルの相対的な強さBTC=リスク資産の象徴という性質から生じるもので、

  • ドル高(DXY上昇) → リスクオフ → BTC売り
  • ドル安(DXY下落) → リスクオン → BTC買い

という流れが市場で広く観察されてきました。

この構図は、FRBの金融政策(利上げ・利下げ)、インフレ率(CPI、PCE)、市場のリスク選好などとも深く関係しています。

⚠️ 2025年3月:BTCとDXYが“同方向に動いた”異常事態

ところが、2025年3月相場ではこうした常識が通用しない局面が訪れました。

2025年2月中旬から3月下旬にかけてのBTC/USDの日足チャート。価格は一時的な反発を挟みつつも下降傾向が続いており、3月下旬には20日移動平均線を上抜けられずに再び下落している。
BTC/USD日足チャート(2025年2月中旬〜3月末)
20日移動平均線を下回る状態が続き、3月下旬には一時的に上抜けを試みたものの反発は限定的。その後再び平均線を割り込み、下落トレンドの継続が示唆される。
2025年1月中旬から3月下旬にかけてのDXY(日足)チャート。価格は全体的に下降傾向にあり、3月中旬には一時的な反発が見られたが、20日移動平均線に上値を抑えられて再び失速している。
DXY(日足チャート|2025年1月中旬〜3月末)
長期的な下落トレンドの中で3月中旬に一時反発を見せたものの、20日移動平均線に上値を抑えられ、再び伸び悩む展開に。BTC/USDと同様にトレンド転換を試みながらも失速している点が共通している。

実際のチャートでは、BTC/USDもDXYも2月中旬から3月中旬にかけてそろって下落し、その後ともに反発→再下落という動きを見せたのです。

🔍 両者のチャート上の共通点

  • 下降トレンド → 一時的な戻り → 再び上値を抑えられる
  • 20日移動平均線(20SMA)に上昇を阻まれ、反落
  • ローソク足も小動きになり、「次の方向性待ち」の様相

💡 通常なら逆方向に動くはずが、今回は正の相関に近い動きに

これは、相場の迷い・ポジション調整・マクロ不確実性の高まりを反映した現象と考えられます。

🧠 なぜ逆相関が崩れたのか?考えられる要因

📌ISMやFOMCなど重要イベントを控えた“様子見地合い”

3月は米国で以下の重要指標・イベントが集中しました:

  • 3月20日:FOMC(政策金利は据え置き)
  • 3月29日:PCEインフレ指標発表(インフレ鈍化傾向)
  • 4月1日:ISM製造業景況感指数の発表予定

こうした状況下では、市場全体でドル買い・BTC買いどちらも手控えるムードが強まり、両者とも一時的に下落することがあります。

📌ポジションの巻き戻し・リスクオフの波及

2月末から3月初旬にかけての下落局面は、単なる売り圧力ではなく、過去のロングポジションの解消(巻き戻し)や、資金逃避的な動きと読むことができます。

特にBTC市場では、大口トレーダー(クジラ)のポジション調整が価格を押し下げ、DXYもQT(量的引き締め)と景気減速懸念で売られた可能性があります。

📌金融市場の“ノーコンセンサス”状態

2025年3月は、FRBの今後のスタンスが明確に見えない状態が続いていました。

  • 「インフレ鈍化 → 利下げか?」
  • 「労働市場が堅調 → 利下げにはまだ早い?」

市場は二極化した見方を抱え、結果としてBTCもDXYも方向感のない地合いに飲み込まれたのです。

🎯 FXトレーダーはこの現象をどう活かすか?

このような「相関が崩れた」相場は、単なるイレギュラーではありません。
むしろ、次のトレンド転換の前兆や、マーケット心理の変化を捉えるチャンスでもあります。

✅ 注目ポイントは以下の通り:

分析視点具体例
📊 地合いの確認DXYとBTCが同方向なら、相場が方向感を失っている証拠
📉 下方向へのブレイク両者が同時に下落 → 市場全体に不安・リスク回避意識
🧭 マクロ指標の影響ISMや雇用統計後にBTCとDXYの動きが分かれ始めるかをチェック

📅 今後の注目ポイント

  • 4月1日(日本時間23時):米ISM製造業景気指数の発表
     → 市場予想は49.6(前回50.3)。予想を下回れば「米景気悪化→ドル売り・BTC売り」の展開も。
  • BTCとDXYの再逆相関化に注目
     → これが起これば、市場心理の整理が進んでいるサインとも言える。

✅ まとめ

3月のBTCとDXYの動きは、相場に潜む不透明感とポジション調整の複雑さを映し出したものです。
FXトレーダーにとっては、単にドル円やユーロドルのテクニカルを見るだけでなく、BTC×DXYという“市場心理の対比チャート”を活用することで、地合いの見極めに一歩踏み込めるはずです。


📌 チャートはXMTradingのMT5を使用(DXYを見るには「USDX」と入力)
📈 この記事が、あなたの相場判断の一助になれば幸いです!

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