2月の小売売上高は予想を下回る伸びというニュース記事について解説します。
2月の米国小売売上高が予想を下回ったことは、米ドル(USD)の動向に影響を及ぼす可能性がある。影響の方向性は、米連邦準備制度(FRB)の金融政策スタンスや市場のリスクセンチメント次第で変わるが、以下のポイントが考えられる。
米ドル(USD)の下落圧力
- 小売売上高の低迷は 個人消費の鈍化 を示唆し、米国経済の成長減速を懸念させる。
- 米国のGDPの約7割を占める個人消費が弱まれば、FRBの利下げ観測が強まる可能性 がある。
- これにより、米ドルは 売られやすくなり、ドル安圧力 がかかる。
→ 影響が出る通貨ペア例:
- USD/JPY: 米ドル安・円高の方向へ
- EUR/USD: 米ドル安・ユーロ高の方向へ
リスクオフによる円高(JPY)の進行
- 小売売上高の低迷が株価下落を引き起こす場合、投資家がリスク回避姿勢を強め、安全資産である円(JPY)やスイスフラン(CHF)を買う動き が強まる可能性がある。
- 実際に、S&P500が2月19日から8%以上下落している ことは、市場の不安心理を反映しており、さらなるリスクオフの動きが進む可能性がある。
→ 影響が出る通貨ペア例:
- USD/JPY: 円高が進む
- EUR/JPY: ユーロ安・円高が進む
FRBの金融政策との関連
- 小売売上高の低迷が続くと、FRBが早期に利下げする可能性 が市場で意識される。
- FRBは2024年後半〜2025年にかけての利下げを検討しているが、今回のデータが利下げ時期を早める材料 となる可能性がある。
- 利下げが近づけば、米ドルはさらに売られやすくなる。
→ 影響が出る通貨ペア例:
- USD/CAD: カナダドル高・米ドル安の方向へ
- AUD/USD: オーストラリアドル高・米ドル安の方向へ
長期的な影響
- 米経済が成長鈍化すると、世界経済の減速懸念が強まり、新興国通貨(EM通貨)は売られやすくなる(例: メキシコペソ、南アフリカランドなど)。
- しかし、今後のFRBの政策次第では、利下げがドル安要因として作用し、新興国通貨の買いが進む可能性もある。
→ 影響が出る通貨ペア例:
- USD/MXN: 米ドル安・メキシコペソ高の可能性
- USD/ZAR: 米ドル安・南アフリカランド高の可能性
結論
2月の米小売売上高が予想を下回ったことにより、米ドル安・円高・リスクオフ の動きが出やすくなる。ただし、市場の反応はFRBの姿勢や今後の経済指標次第で変わるため、追加のデータ(雇用統計やインフレ指標)を注視する必要がある。
2025年3月17日24:30時点のドル円日足チャート

ドル円の日足チャートを確認すると、現在は61.8%(146.941)と50%(149.219)の間で横ばいの動きが続いています。トレンドは弱く、ローソク足のフォーメーションを見る限り、円高方向への動きが強まってもおかしくない状況です。
次回の注目指標
次回は 3月20日(木)に発表される米国FRBの政策金利(FOMC)と英国中銀(BOE)の政策金利 が見所です!
- FOMC (日本時間03:00発表) → FRBの利下げメッセージや声明文に注目
- BOE (日本時間21:00発表) → 英ポンドの動向を大きく与える可能性
この大切な発表により、為替市場がどのように動くかを予想しながら、戦略を繰り立てていきましょう!