2025年3月24日に発表された英国のPMI速報は、市場に明暗入り混じるインパクトを与えました。
サービス業PMIは予想を上回る好結果となり、ポンド買いを誘発する一方、製造業PMIは18カ月ぶりの低水準に沈み、英経済の二極化が鮮明に。
この結果を受けて、GBP/USDは短期的に上昇するも上値は重く、市場の方向感は定まらないまま。
一体どちらの力が勝るのか──。
本記事では、PMIの詳細数値、X(旧Twitter)でのトレーダーやメディアの反応、チャート分析をもとに、ポンド相場の今後の展開とトレード戦略のヒントをお届けします。
ニュースの要点
- 英サービス業PMI:53.2(予想50.9)➡ 7カ月ぶりの高水準
- 製造業PMI:44.6(予想47.2)➡ 18カ月ぶりの低水準
- 市場は「強いサービス、弱い製造」で真っ二つに割れる展開に
詳細情報
3月24日に発表されたS&Pグローバルの英PMI速報によれば
- サービス業PMI(Flash)は53.2と、前月51.0から大幅上昇。需要の回復と国内・海外からの受注増が背景。
- 製造業PMI(Flash)は44.6へ大きく悪化。これは2023年10月以来の水準で、輸出不振と米関税リスクが影響。
- コンポジットPMIは52.0(予想50.3)で、6カ月ぶりの拡大。
インフレ面では、サービス業を中心に賃金コストが上昇。その一部は販売価格に転嫁されており、インフレ再燃リスクも浮上。
Xでの反応(トレーダー・メディアの声)
✅ ポジティブ評価
スタグネーション脱却の兆し
GBP/USD先物も好反応、上昇期待あり
サービス主導の景気回復に安堵
❌ ネガティブ評価
たった1回のPMIで回復とは言えない
サービスの改善は一時的な天候回復による可能性も
製造業は高コストと政策不信で疲弊
⚖ 慎重・中立な見方
成長の兆しはあるが、企業の期待値は低い
このPMIがBoE政策にどう影響するかがカギ
FXトレーダーが注目すべきポイント
- GBP/USDの買い材料としては「サービス業の回復」「インフレ再燃によるBoEの利下げ抑制」が挙げられる。
- 一方で「製造業の深刻な悪化」は英国経済全体の重しとなり、ポンドの上値を制限。
- トレーダーは“どちらが勝つか”より、“いつまで分裂状態が続くか”に注目すべき。
テクニカル分析(筆者のチャート分析)


筆者の分析
- 日足チャートでは、20日移動平均線は右肩上がり。
- ローソク足は上ヒゲつきで売り圧力も見える
- 1.3000が強いレジスタンス、1.2870が重要なサポート
- 現在は“上昇トレンド中の横ばい調整局面”
📉 チャートに基づく分岐シナリオ:
シナリオ | 条件 | 目標 |
---|---|---|
上昇継続 | 1.3000ブレイク | 1.3075〜1.3120 |
反落シナリオ | 1.2870割れ | 1.2670まで下落の可能性 |
市場の今後の展望
- BoEは今後も利下げに慎重なスタンスが続く可能性あり
- ただし、製造業の悪化が続けば「景気優先のハト派転換」も視野に
- トレーダーが注目すべき今後の材料:
- 4月の春予算(財政政策)
- 米国の関税政策の動向
- 次回のBoE声明やインフレデータ
まとめ
UKの3月PMIは、サービス業の力強い回復と製造業の厳しい現実が鮮明に分かれた内容となりました。
- ✅ GBP/USDはテクニカル的に分岐点にある
- ✅ マーケットの声も「強弱混在」で方向感に乏しい
- ✅ 次の一手は、チャート+政策+地政学リスクを複合的に読み解く力が問われる局面