金相場が再び注目を集めています。XAU/USDは3月上旬に史上最高値を更新した後も高値圏で推移しており、次の大きな動きがいつ起きるのか、多くのトレーダーが注目しています。
今週は、米PCEインフレ指標の発表やトランプ大統領による新たな関税案の動向が控えており、金市場に大きなインパクトを与える可能性があります。さらに、ドル指数(DXY)の動きもXAU/USDの値動きに強く影響しており、テクニカル・ファンダメンタルの両面からの分析が不可欠です。
本記事では、これらの材料が金価格にどう影響を与えるのかを、ニュース・テクニカル分析・トレーダーの反応を交えて徹底解説。週後半の相場展開を読み解くためのヒントをお届けします。
ニュースの要点|金価格は関税とPCEインフレ指標を睨んだ持ち合いに
- 金(XAU/USD)は3月19日の高値後に調整入りし、週明けも方向感に欠ける展開。
- 米ドルは月間で3.4%の下落となり、ドル安が金価格を下支え。
- 米PCEインフレ(3月28日発表予定)と、トランプ大統領の新関税案(4月2日発動予定)が材料視されている。
詳細情報
- 金価格は、先週の急落から反発するも、$3,047.18付近で上値を抑えられレンジ推移。
- 米ドル安(DXY下落)とFRBの年内利下げ見通しが支援要因。
- テクニカル面では、$2,968.92が重要サポート、$3,057.59を超えると上昇再開の可能性。
- 関税発動でインフレが加速すれば、金は$3,100超を目指すとの見方も。
FXトレーダーが注目すべきポイント|金とドルの逆相関とトリガー
トリガー | 相場の反応予想 |
---|---|
PCEが予想以下 | インフレ鈍化 → 利下げ観測強まり → ドル安 → 金高 |
PCEが予想以上 | 利下げ後ずれ懸念 → ドル高 → 金下落の可能性 |
関税強化 | インフレ懸念・リスクオフ → 金買い・ドル強弱分かれる |
関税回避 | リスクオン回帰 → 金売り・ドル強含みも |
Xでの反応まとめ|トレーダーたちのリアルな声
「XAUUSD × Tariff」編
#GOLD はトランプの関税で横ばい推移。$3,000を維持しつつ、$3,057の高値を再び試す流れ。ブレイクアウトが必要
$3,000が鍵。これを維持できれば$3,025〜$3,027、さらに$3,045〜$3,047がレジスタンス帯
金は$3025を上抜けすれば、$3030 | $3035 | $3040へ。下は$3010割れで弱気に傾く
「PCEインフレ指標」編
今週の注目は3月28日発表のPCEコアインフレ指標。今週最大のイベント
インフレ軟化と関税ヘッドラインの軟化がリスクオンを支援。PCEが柔らかければ市場は飛ぶかも
PCEは前年比2.8%予想(前回2.7%)。注目データ。トランプ関税の軟化で株先物上昇
「DXY下落」編
DXYを見ずにUSDペアをトレードするのは盲目的。DXYが上ならEUR/USDとXAU/USDは下がる
DXYはドルではなく通貨バスケット(主にユーロ)。DXYが下がるとVIXも下がる、何が起きたのか?
DXYが1%動いただけでFinTwitは大騒ぎ。FXがどう機能するのか解説ポストを予定中
「Gold Breakout」編
GDXが5年レジスタンス(46)を突破目前。成功すれば70へ、+52%の上昇余地
GDX・GDXJなど金鉱株が4.5年ベースをブレイク。月足で明確なブレイクアウト
XAU/USDはベアトレンドラインをブレイクし、構造転換。$3,053目標
金は強気フラッグ形成中。$3030の終値超えで$3090へ。$2990の押し目を試す可能性も
筆者のテクニカル分析|金・ドル相場の見立て
XAU/USD(日足)

- 3月19日終値$3,047.18が直近の明確なレジスタンスライン。
- 3月21日・24日・25日のローソク足が「弓を引くような」下降予兆に見える。
- 20日移動平均線(現在上昇中)までの一時的な調整下落に備えるべき。
DXY(USDX-JUN25:XMTrading)


- 月足チャートで100〜101が堅いサポートゾーン。
- 日足では、3月11日の陰線は7本のローソク足を内包(ハラミパターン)していたが、3月21日と24日でやや上放れ。
- とはいえ、右肩下がりの20日移動平均線がブレイクを抑制中。
- 月足サポートゾーンを目指して再度調整の可能性が高いと判断。
市場の今後の展望|調整ののち、再び上昇余地あり
- 金相場は一度調整を入れる可能性があるが、ドルの上昇余地が限られる場合は金再上昇に繋がる。
- 注目すべきは以下の水準:
- XAU/USD:$2,968(短期サポート) / $3,030(突破すれば再加速)
- DXY(USDX):20日移動平均線の下抜け有無と、月足100ラインの反応
まとめ|FXトレーダーへの戦略アドバイス
- 今週は「PCE指標+関税報道+テクニカル節目」の三重構造。
- 短期トレードではPCEとDXYの動向に合わせた金の押し目買い/戻り売り戦略が有効。
- 中期視点では、金価格は強気基調維持、ただし短期は調整に注意。
参考元
FXEmpire. Gold News: Safe-Haven Demand Rises as Traders Brace for PCE and Tariff Decisions. Published March 24, 2025.
https://www.fxempire.com/forecasts/article/gold-news-safe-haven-demand-rises-as-traders-brace-for-pce-and-tariff-decisions-1506540