「あなたには、イルカが見えますか?」
一枚の絵があります。
ぱっと見た瞬間、ある人には「男女が愛し合っている姿」にしか見えません。
でも、実はこの絵の中には、9頭のイルカが描かれているんです。
……信じられますか?

👀「あなたには、どちらが見えますか?」
(※スマホで見ている方は、指で少しズームしてみてください)
面白いことに、小さな子どもはこの絵を見て「イルカがたくさんいるね」と素直に答えます。
でも、ある程度人生経験を積んだ大人の多くは、「どう見ても男女の絵にしか見えない」と言います。
なぜ、同じものを見ているのに、見えるものが違うのか?
それは、脳が過去の経験や記憶をもとに、無意識に“意味づけ”をしてしまうからです。
だから、子供はその記憶がないため「愛し合う男女」を識別できないのです。
そして、この「意味づけのクセ」のことを、認知バイアスと呼びます。
FXも同じです。
ローソク足を見て、移動平均線やインジケーターを重ねて、
「ここが押し目だ」「このラインを抜けたらエントリーだ」と判断する──
でももし、
あなたが見ているチャートの“景色”そのものが、
認知バイアスによって“ズレて”いたとしたら?
勝っているトレーダーと同じチャートを見ているはずなのに、
自分だけが何度も負けてしまう理由は、
もしかするとその「見え方の違い」にあるのかもしれません。
本記事では、
- なぜ私たちは同じものを見ても“違うもの”として認識するのか
- 認知バイアスがチャート判断に与える影響とは?
- そして、“チャートの本当の姿”を見抜くために必要な視点の変え方
についてお話ししていきます。
もしかするとこの記事を読み終えるころ、
あなたのチャートにも、静かにイルカが泳ぎ始めているかもしれません。
やめたいのに、チャートを見てしまう自分へ
ドル円ショートで死亡。買ったら下がるし、売ったら上がるし、誰かに監視されてるんじゃないかとしか言いようがない。今月マイテンして死亡。
生涯損益はマイナス1000万円ほど・・・。
普通の人よりも多くのお金を失ってる自覚はある。もうやめようと何度も思ったけど気付けばローソク足を見つめている。
そんなどうしようもない自分を責めたことはありませんか?
- 意思が弱いんじゃないか
- 自分には向いていないのかもしれない
- 勝ち組の世界にはどうやっても手が届かないのかも
でもそれでもまだやってる。
やめられない。
たとえまた負けるとしても、どこかで勝てる日を信じてる。
それって、心の奥底に「相場で勝ちたい」という火が灯っている証拠じゃないでしょうか。
世の中には、トレードを「趣味です」「副業です」と言う人もいます。
けれどあなたは、もうその段階を超えている。
生活と、プライドと、悔しさと、願いが全部つながっている。
だからこそ、
「勝ちたい」ではなく、「勝たないといけない」に変わっている。
その気持ち、相場を長くやってたら自然とそうなりますよね。
もしかするとあなたは過去にたくさんのアドバイスを参考にしたけど何をやっても勝てないという経験があるかもしれない。
でも、だからこそ、いま伝えたいんです。
もしかしたら、「勝てない理由」は
やり方じゃなく、“見え方”の問題かもしれないって。
このあと、チャートの見え方にどんな違いがあるのか──
イルカの絵をもう一度思い出しながら、読み進めてみてください。
勝てない理由は、“才能”ではなく“見え方”だったのかもしれない
「FXの才能がないんだと思います」
「FXは向いてないんでしょうね」
そんな言葉を、これまで何度も目にしてきました。
SNSでも、掲示板でも、そしてあなた自身の心の中でも──
でも、本当にそうなんでしょうか?
同じチャート、同じローソク足を見て、
勝っている人と負けている人が存在する。
これは事実です。
ではその違いは何なのか。
使っているインジケーターの種類でしょうか?
トレードルールの違いでしょうか?
資金力や運の差でしょうか?
もちろん、それらも関係はあります。
でも、もっと根本的で見落とされがちなものがあるんです。
それが、「チャートの見え方」です。
たとえば──
ある人には、ローソク足が波のように見える。
トレンドの流れに乗るサーファーのように、波が押して引いていく動きが“見える”。
でも別の人には、それがただの上下運動にしか見えない。
“同じチャートを見ているのに、意味が見えていない”状態です。
これが、認知の違い=視点のズレです。
そしてこのズレは、知識や経験の量だけでは解消できないことがあります。
むしろ、経験があるからこそ「こう見えるに違いない」という思い込み(=認知バイアス)に縛られてしまっているケースもあるんです。
まさに、あのイルカとカップルのトリックアートと同じように──
一度そう見えてしまうと、それ以外の見方ができなくなる。
でも、一度“本当の見え方”に気づければ、そこからすべてが変わっていく。
ここから先は、
「チャートの見え方がどうズレているのか」
「どうすれば視点を変えられるのか」
という話を一緒に見ていきましょう。
あなたの視点がほんの少し変わるだけで、
これまで見えていなかった“勝ちへの道”が、浮かび上がってくるかもしれません。
同じチャートを見ていても、見えている“世界”が違う
同じ移動平均線とローソク足を見てるのに、勝ってる人と負けてる人で“見えているもの”が違うのはなぜか?
騙し絵の中に、イルカが隠れている。
見えていなかった人が、それを見つけた瞬間──
「あっ、ほんとだ。いた」
その“気づきの一瞬”は、目ではなく脳が認識を切り替えた瞬間に起こります。
トリックアートの不思議なところは、一度見えるようになると、もう元には戻れないという点にあります。
実は、FXチャートもそれと同じ構造を持っています。
ローソク足が上下に波打ち、移動平均線が引かれた画面。
誰が見ても、表示されている情報は“まったく同じ”です。
でも──
ある人には「波に乗る場所」が見え、
別の人には「ただの上下運動」にしか見えない。
この差は、知識の量ではなく「どう意味づけて見ているか」の違いです。
たとえば…
- 勝っている人は、移動平均線の角度やローソク足の形状から“流れ”を感じ取っている
- 一方で、負け続けている人は「過去に反発した場所」「形が似ているパターン」にばかり目が行ってしまう
結果として──
同じチャートを見ていても、“次にどう動くか”に対する仮説の質がまったく違うものになってしまうのです。
これは、チャートという名の“視覚情報”に対する認知バイアスによって起こる“錯視”のようなもの。
- 一度「反発するもの」として見えてしまうと、それ以外のシナリオが見えなくなる
- 一度「押し目を拾う場面」として理解できれば、他のノイズが消えていく
まさに、あの“イルカが見えた瞬間”と同じことがチャートでも起きているのです。
つまり、勝っているトレーダーは特別なインジケーターを使っているわけではなく、
「同じ情報を、違う“視点”で見ている」だけ。
そしてこれは、あなたにも見えるようになる可能性がある“視点”です。
次の章では、実際に“どうすればその視点を手に入れられるか”について、より具体的に解説していきます。
チャートの“見え方”を変える4つの習慣
「見え方がズレていたかもしれない」──
そう気づいたとしても、すぐに“勝てる視点”を手に入れるのは簡単ではありません。
なぜなら、あなたが今まで何百時間も何千時間も何万時間も費やして見てきたチャートの“見方”が、すでに無意識レベルで固まっているからです。
でも逆にいえば、その“癖”をほぐすことができれば、
チャートはまるで違う景色に見えてくる可能性があります。
ここでは、「チャートを新しい視点で見る」ための簡単なトレーニングを3つご紹介します。
✅ ① インジケーターを全部消してみる

まずやってみてほしいのが、チャートからすべてのインジケーターを一度消すことです。
移動平均線、MACD、RSI、一目均衡表、ボリンジャーバンド──すべてです。
ローソク足だけになったチャートを見ると、最初は不安になります。
でもその「不安」こそが、インジケーターに頼り切っていたことの証拠です。
ここで問いかけてみてください。
「今、このローソク足たちはどこへ向かおうとしているのか?」
未来を当てる必要はありません。
“流れ”を感じ取る目を育てることが目的です。
✅ ② 移動平均線を1本だけ表示して観察する

次のステップは、移動平均線を1本だけ表示することです。
おすすめは9MAや20MAなどの短期系です。理由は「ローソク足との相互作用が見えやすいから」です。
ここで意識したいのは…
- 移動平均線の傾き
- ローソク足と線の位置関係(上なのか、下なのか、接触しているのか)
- ローソク足の波打ち方(上下動にリズムがあるか)
インジケーターとして“使う”のではなく、チャートが波として“流れている”かを観察するためのラインとして見てください。
✅ ③ 過去のチャートで「波に乗っている足」だけを探す
最後におすすめなのが、過去チャートをスクロールしながら「波にうまく乗っているローソク足」を探す作業です。
条件はシンプルで構いません。
- 移動平均線に沿ってきれいに上昇・下降している期間
- 押し目・戻り目からトレンドに再び乗ったような場面
ここで重要なのは、「エントリーがうまくいきそうな場面」ではなく、
“チャートが整っていた期間”を身体で覚えることです。
目を養うとは、「勝てるチャートパターンを覚える」のではなく、
“勝てるチャートの空気感”を感じ取る感覚を育てることなのです。
✅ ④ ラインチャートで“流れ”だけを見る訓練

移動平均線とローソク足だけでチャートを見ても、
ついついヒゲの長さやローソク足の形にばかり意識が向いてしまう……
そんなときは、チャートの表示を“ラインチャート”に切り替えてみてください。
ラインチャートは、終値のみを繋いだシンプルな線です。
これに移動平均線を1本だけ重ねることで、チャートの“流れ”がより明確に見えるようになります。
📌ここで意識したい3つのポイント
- ラインチャートが移動平均線より上を推移している期間
- ラインチャートが移動平均線より下を推移している期間
- ラインチャートが移動平均線と交差するポイント
特に注目してほしいのは、「交差した直後の動き」です。
多くの場合、交差した方向にしばらく進む傾向があります。
もちろん、100%そうなるわけではありません。
ただ、「その傾向がある」と認識することが重要です。
これは単なる知識ではなく、視覚的に“流れ”を感じ取るための訓練です。
「移動平均線とラインチャートの関係性」を意識するだけで、
チャート全体の動きがスムーズに見えるようになります。
また、ラインチャートに切り替えることで、
ローソク足の上ヒゲ・下ヒゲといった“ノイズ的な情報”が消え、
脳はよりシンプルにチャートの構造を捉えやすくなります。
「細部に惑わされずに流れを見る」
それが、ラインチャートを使った視点トレーニングの真の目的です。
🧠視点は「知識」ではなく「慣れ」で作られる
視点を変えるというと、「新しい知識を学ぶ」と考えがちですが、
本当の変化は“慣れ”の積み重ねでしか起こりません。
- シンプルな状態でチャートを見てみる
- 違和感を楽しむ
- そして、少しずつ“見えるもの”が変わってくるのを感じる
このプロセスを続けることで、
あなたのチャート認識は確実に変わり始めます。
この先のセクションでは、こうした「見え方の違い」によってトレードがどう変わったのか、実例や感覚の変化をもう少し掘り下げていきます。
次は、「見え方が変わった人が語るチャートの世界」についてお話ししましょう。
チャートの“見え方”が変わると、トレードの何が変わるのか?
最初は見えなかったイルカが、
一度見えてしまうと、次からは自然に目に入ってくるようになります。
FXチャートもまったく同じです。
「波に乗る」とは何か?
- 波に乗る=ローソク足(あるいはラインチャート)が移動平均線を交差し、
終値が“線の上側”を保ちながら推進する現象です - その瞬間、移動平均線にも右肩上がり(ロングの場合)の勾配がつき始めます
- ショートならすべてが逆方向です
言い換えると、「価格」と「平均」が同じ方向へ歩調をそろえた瞬間が
“波に乗る”起点になるのです。
ケーススタディ:USD/JPY・8時間足

日付 | 状況 | 視点のカギ |
---|---|---|
2025/6/16 | 9MAを下から上へブレイクし、終値が9MAの上で確定 | ✅ 交差直後✅ MAはまだ下向き気味だが「転換の芽」が出る |

日付 | 状況 | 視点のカギ |
---|---|---|
2025/6/22(休場) | 9MAは“津波”のように右肩上がり、ローソク足本体は安定して MAの上を推移 | ✅ 波に完全に乗った状態✅ 押し目を作っても即座に買いが入りやすい地形 |
📈 「未来のビッグウェーブは、転換直後の“静かな交差点”から必ず始まります。
だからこそ、この一瞬がハイ・リワードの宝庫になるのです」
現在のポジション

- エントリー:2025/6/16 8 h 足、9MAブレイク直後
- 含み益:+173.8 pips(0.01 lot=約1,738 円)
→ もし1 lotなら約17 万円 - 出口戦略:ST 143.619 / TP 146.419 を自動設定しつつ、9MA割れで手仕舞い
急落が来ても「9MA割れで撤退ルール」があるため、
“それなりの利益”を残してゲームを降りられる——これが“波に乗る”最大の強みです。
「後づけ解説だ」と感じたら、過去チャートで検証してみよう
- チャートを遡り、
「ローソク足がMAを交差して終値が上(下)で確定したあと」をマーキング - その後の価格推移をチェック
- 勝率/平均伸び幅を手計算 or スプレッドシートで集計
🔍 驚くほど似たパターンが繰り返されるはずです。
「同じチャートを見ているのに、結果がまったく違う」理由が
体感として理解できます。
同じチャートでも“認識”が利益を分ける
- あなた:交差点を“リスク”と感じ、逆張り or 様子見でチャンスを逃す
- 私:交差点を“起点”と捉え、波の初動に乗る
まさに冒頭のトリックアートと同じ構造です。
視点が切り替わるだけで、エントリーの判断そのものが変わります。
まとめ — 視点が変われば、残高も変わる
- 波は“交差点”から始まる
- 交差点を“危険”と見るか“宝の入り口”と見るか
- 後者の視点を身につければ、同じチャートでも利益曲線は一変する
あなたも、この記事で紹介した視点トレーニングを試し、
「どこで波が起きるのか」を身体で覚えてみてください。
次にチャートを開いたとき、大きな波の“うねり”がきっと見えてくるはずです。
まとめ|“視点”が変われば、チャートは語り出す
この記事では、「FXで勝てない理由は才能ではなく、認知バイアスによる“見え方のズレ”かもしれない」という視点から、以下のことをお伝えしてきました。
🔑この記事の3つの要点
- 同じチャートを見ていても、人によって“見えているもの”は違う
- トリックアートのように、“脳”が意味づけしているから - トレードで勝っている人は、チャートの“流れ”にフォーカスしている
- ローソク足と移動平均線の関係性を“波”として認識している - 視点は、練習によって変えられる
- インジを減らす/ラインチャートを使う/交差点に注目するトレーニングで視覚が育つ
💬あなたに伝えたいこと
あなたがこれまで負け続けていたのは、
決して「能力がないから」ではありません。
ただ、“見え方”がズレていただけです。
そして、それは今日から変えられるものです。
一度イルカが見えるようになると、
もう“見えなかった頃”には戻れないように──
あなたも一度、「波に乗る視点」を体感できれば、
チャートの“語りかけてくる声”が、きっと聞こえるようになります。
📝これから何をすればいいか?
- まずはインジケーターを1本に絞って、チャートを眺めてみてください。
- ラインチャートで“流れ”だけを観察する時間を作ってください。
- そして、過去チャートを遡って、「あのとき波はどう始まったか?」を確かめてみてください。
それだけでも、チャートに対する“感じ方”が大きく変わり始めます。
🎁最後に
この記事が、
「自分には勝てないんじゃないか」
「もう何をやってもダメかもしれない」
そう思っていたあなたにとって、
“視点が変わる”ひとつのきっかけになれば嬉しいです。