FXではよく「トレンドに乗れ」と言われます。
でも実際には、「トレンドに乗るのが怖い」と感じている人も多いのではないでしょうか?
特に、すでに何連騰もしているような強い上昇相場を見て、「今から買ったら天井を掴まされそう」と不安になる──そんな感情、実はとても自然なものです。
たとえるなら、それは駅を猛スピードで通過していく特急列車に、飛び乗ろうとするようなもの。怖くて当然ですし、タイミングを誤れば、大きな損失につながってしまいます。
そもそも、「トレンドに乗る」というのは、“まだ発生していないトレンド”を予測し、あらかじめ仕込んでおくという行為でもあります。
ところが多くの人は、誰の目にも明らかな“走り出した後のトレンド”に飛び乗ろうとしてしまいます。
その結果、勢いが止まりかけたところでエントリーしてしまい、高値掴みやヒゲに振り回されて損をする──そんな経験をした方も多いはずです。
本来、「トレンドに乗る」とはそんな無茶をすることではありません。
相場がまだ静かなうちに準備を整え、トレンドが走り出したとき、その勢いに自然と押し流される──これが、本来あるべき「トレンドに乗る」の姿です。
言い換えれば、列車が駅に停車しているときに乗り、目的地に向かって動き出し、到着するまでの一連の流れに身を委ねる。
FXでも同じで、仕込むべきタイミングは“走り出す前”なのです。
今回は、この「安全で、再現性のあるトレンドの乗り方」について、初心者にもわかりやすく解説していきます。
第1章|なぜ多くの人はトレンドに乗れないのか?
「トレンドに乗るべきだった…」「あの波に乗っていれば利益になったのに…」
FXをしていると、そんな後悔の声をよく耳にします。
しかし実際には、多くのトレーダーが“トレンドに乗れない”という現実に直面しています。
では、なぜ人はトレンドに乗れないのでしょうか?
理由①|トレンドが“見えたとき”にはすでに遅い
多くの人がトレンドに乗ろうとするのは、「明らかな上昇」「明らかな下降」が目に見えてからです。
でも、その“目に見えた時”にはすでに大きく動いた後。
チャートで見ると魅力的な形に見えても、エントリーした瞬間に反転する──つまり「天井掴み」「底掴み」になることが多いのです。
これは、視覚的な安心感(=分かりやすい形)に飛びついた結果であり、後追い型トレードの典型です。
理由②|「どっちに動くか分からない」という不安に勝てない
「トレンドに乗りたい」と思っているのに乗れない最大の原因は、不安と迷いです。
とくに、経済指標発表前や重要なラインを前にした場面では、「上に行くか、下に行くか分からない…」という心理が働き、エントリーを見送ってしまいます。
そして、いざ大きく動いたのを確認してからエントリーしようとすると、すでに価格が高騰していたり、勢いが衰えていたりして、“遅れて飛び乗って損する”パターンになりがちです。
理由③|「乗る」のではなく「追いかけている」から
そもそも多くの人は、“トレンドに乗る”という言葉を誤解しています。
本来の意味は、トレンドが出る前に仕込んでおき、相場が動き出した時にその流れに押されていくことです。
しかし多くの人は、“動き出したのを見てから慌てて乗ろうとする”。
これは「乗っている」のではなく、「追いかけている」だけ。
しかも、そういう時に限って、動きは止まりかけているものです。
まとめ:乗れない原因は“タイミングと心理”にある
- トレンドに乗れないのは、見えるころには遅いから
- どっちに動くか分からない場面での不安と躊躇がエントリーを遅らせる
- トレンドに“飛び乗る”のではなく、“押し出される”ように乗ることが理想
次章では、「本来のトレンドに乗るとは何か?」を正しく理解するための考え方を解説します。
この認識が変われば、あなたのトレードは大きく変わっていくはずです。
第2章|「トレンドに乗る」とは本来どういうことか?
「トレンドに乗る」という言葉を聞くと、多くの人は“動き始めた相場を追いかけること”だと思いがちです。
ですが、本来の意味は全く異なります。
✅ トレンドに“乗る”とは、動き出す前に“仕込む”こと
トレンドとは、すでにできあがったものに飛び乗るのではなく、まだ形になっていない動きの“初期段階”に乗ることです。
言い換えれば、
- 「列車が動き出す前に乗っておく」
- 「経済指標が発表される前にエントリーを済ませておく」
といった準備が本質です。
そして、トレンドが本当に発生したときに、
自分のポジションが“流れに押されて”利確されていく。
これが、トレンドに乗れているという状態です。
✅ 実際のトレードチャートで見る「トレンドに乗った取引」
私自身の取引履歴を、チャートに表示させたものが以下の画像です。
8時間足チャート(ドル円)で、2025年6月11日〜7月5日までのトレードを記録したものです。

📉 8回の取引を完了し、現在9回目のロングを保有中です。
日付 | タイプ | エントリー | クローズ | 獲得PIPS |
---|---|---|---|---|
6月12日 | ショート | 144.483 | 144.308 | +17.5PIPS |
6月13日 | ロング | 144.306 | 144.325 | +1.9PIPS |
6月16日 | ロング | 144.319 | 146.638 | +231.9PIPS |
6月24日 | ショート | 145.415 | 145.888 | -47.3PIPS |
6月25日 | ロング | 145.888 | 145.187 | -70.1PIPS |
6月26日 | ショート | 145.148 | 143.048 | +210PIPS |
7月2日 | ロング | 143.891 | 143.558 | -33.3PIPS |
7月3日 | ショート | 143.558 | 143.852 | -29.4PIPS |
7月3日 | ロング | 143.151 | ホールド中 | ??? |
📝 注釈付きで見る「トレンドに乗った成功例」
とくに注目していただきたいのは、6月16日のロングエントリーです。
- エントリー価格:144.319
- 決済価格:146.638
- 利益:+231.9PIPS
このトレードは、相場がまだ静かだった段階(9MAの上に乗ったタイミング)で仕込みを行い、
その後のトレンド発生(連続陽線による上昇)に“自然と押し上げられた”ことで大きな利益につながったケースです。
これこそが、「見えてから飛び乗る」のではなく、「見える前に準備して流れに乗る」という、トレンドフォローの理想形です。
⚠️ 一方で、失敗例もある(=リアル)
たとえば6月25日のロングでは、
- エントリー:145.888
- 決済:145.187
- 結果:-70.1PIPS
という損失も発生しています。
このように、「仕込んだからといって必ず勝てるわけではない」という現実も、正直に記録しています。
しかし、勝ちトレードと負けトレードをトータルで見たとき、トレンドにうまく乗れている回の利益が、他を大きくカバーしているのが分かります。
✅ 結論:「トレンドに乗る」は再現できる技術である
- トレンドは、予兆の段階で仕込める
- 明確なルールとチャート判断で、それは誰でも再現可能
- 怖さを乗り越える“仕組み”を作れば、実践も可能になる
🔜 次章予告
次は、「トレンドの始まりを見抜く3つのサイン」について解説します。
どんなときに仕込むべきなのか、明確な基準をお伝えしていきます。
第3章|トレンドの始まりを見抜く3つのサイン
トレンドフォローで利益を上げるには、「どこからが本当のトレンドなのか?」を見極める目が欠かせません。
ここでは、私自身が実践の中で重視しているトレンド発生の兆しを示す3つのローソク足のサインをご紹介します。
① 移動平均線を突き抜けるローソク足
トレンドの始まりを最もシンプルに捉える方法が、移動平均線(MA)を突き抜けるローソク足です。
私のルールでは、ドル円8時間足チャートに表示した9MAを使い、
- ローソク足が9MAを下から上に突き抜けて確定したらロング
- 上から下に突き抜けて確定したらショート
という明確な条件でエントリー判断を行っています。
移動平均線はただの補助線ではなく、トレンドラインと同じように“流れの境界線”としての効力を持っています。
特に、ローソク足の始値と終値がMAをまたいで確定したときは、その境界が崩れたサイン。
次のローソク足の始値が、逆方向のトレンドの始点になりやすいのです。
(※ラインチャートで見ると、その交差の瞬間がよりはっきり見えます)
📈 チャート実例(ドル円 2025年5月27日)

このチャートでは、2025年5月27日14時〜22時のローソク足が9MAを下から上に突き抜けて陽線で確定。
この時点でまだ上昇トレンドは発生しておらず、むしろ直前までの流れは下落基調。
普通なら「戻り売りだ」と考える人が多い状況です。
しかし、終値が9MAよりも上で確定したことで、トレンドの転換が示唆されました。
結果的に次のローソク足の始値でロングエントリーしていれば、その後210PIPSもの上昇が確認できました。

もちろん、これは後から見ればの話ですが、同じような条件を過去にさかのぼって検証すると、
高い確率で突き抜けた方向に価格が動いているケースが多く確認できます。
これが、私が「移動平均線を突き抜けるローソク足」を最重視している理由です。
② 1本前の始値を逆方向へ突き抜けたローソク足
もう一つ注目すべきサインは、ローソク足が“1本前の始値”を逆方向に突き抜けたときです。
たとえば、上昇トレンド中であれば、1本前の始値はサポートラインのような存在。
そこまで下がっても反発するのが普通です。
しかし、その始値を下抜けて陰線で確定した場合、サポートが崩れたことを意味します。
この瞬間、買い方が一斉に利確や損切りを始めるため、売りの勢力が一気に加速することがあるのです。
📉 チャート実例(ドル円 2025年6月23日)

2025年6月23日22時〜翌6時のローソク足が、前の陽線の始値を下に突き抜けて陰線で確定しました。
それを起点として、ドル買いから円買いへとトレンドが反転していく様子が確認できます。
この現象は必ず起きるわけではありませんが、このパターンが発生した時の“その後”を観察するだけでも学びは多いです。
「逆方向への突き抜け」は、それまでの流れを壊すパワーがある──これもまた、トレンドの始まりを告げるローソク足の一種です。
③ 長いヒゲを持つローソク足(ピンバー)
3つ目のサインは、ヒゲの長いローソク足(ピンバー)です。
とくにトレンド終盤に現れる長いヒゲは、「勢力交代」の合図となることがあります。
ヒゲが長いということは、一時的にはそこまで価格が動いたのに、
反対勢力の力によって押し戻された=これまでのトレンドが打ち消されたことを意味します。
📉 実体験(2025年6月13日)

私はこのとき、ショートポジションを持っていたのですが、6月13日6時〜14時のローソク足に長い下ヒゲが現れました。
直感で「これは危ない」と感じましたが、ルール上はホールド対象だったため、仕方なくそのまま継続。
しかし案の定、直後に上昇が始まり、9MAを上にブレイク。
その後ドル円は147円台まで急騰しました。
ピンバーは、「もうこの流れは終わるかも?」というチャートからのメッセージです。
それをどう受け取り、どう行動に変えるか──ここがトレーダーの腕の見せ所だと思います。
✅ まとめ:チャートは“静かに語っている”
今回ご紹介した3つのサインは、どれも私のトレード経験の中で実際に“トレンドに乗れた瞬間”に現れていたものです。
- 移動平均線を突き抜けるローソク足
- 始値を逆方向に突き抜けるローソク足
- 長いヒゲを持つローソク足(ピンバー)
ローソク足は言葉を話しませんが、形や位置関係でトレーダーに語りかけてきます。
そのメッセージをどう読み解き、どう活かすかで、あなたのトレードの精度は格段に上がるはずです。
第4章|トレンドに乗るためのエントリータイミングと戦略
トレンドに乗るには、勢いが明確になってから飛び乗るのでは遅いことは、これまでの章で見てきた通りです。
では、どこで仕掛ければよいのか?
この章では、ベストなエントリータイミングと、それに合わせた損益管理の戦略(リスクリワード比)について解説します。
トレンドフォローのベストタイミングは「1か所だけ」
実践の中で強く感じるのは、本当に優位性のあるエントリーポイントは“ほぼ1か所”しかないということです。
それは、第3章で紹介した「トレンド発生のサイン」が明確に現れた直後。
つまり以下のようなパターンです。
トレンドサイン | エントリータイミング |
---|---|
① MAを突き抜けるローソク足 | 確定後の次のローソク足の始値 |
② 始値を逆方向に突き抜けるローソク足 | 確定後の次のローソク足の始値 |
③ 長いヒゲ(ピンバー)の出現 | 確定後の次のローソク足の始値 |
このような“サインの直後”が、最も再現性が高く、リスクがコントロールしやすいタイミングになります。
それ以外のタイミングでは、「伸びた後に飛び乗る」形になってしまい、トレンドの反転に巻き込まれやすくなります。
利益と損失の幅は“先に設計”しておく
仕掛けのタイミングが明確なら、次はストップロスとテイクプロフィットの設計です。
ここで鍵になるのが、リスクリワード比を使った戦略的な損益設計です。
🔢 利益幅の決め方:ひとつ上の時間軸から引く
エントリー直後にTP(テイクプロフィット)を設定する場合は、
現在見ている時間軸より1段か2段上の平均値幅を参考にするのが効果的です。
私の場合、ドル円8時間足チャートでトレードしていますが、
スイングトレードとしては週足の過去13週分の平均値幅を参考にしています。
- 直近13週の平均値幅:約3.8円
- このうち50〜60%(約2.1円)をテイクプロフィットの目安に設定
「3.8円しか動かない平均なのに5円取りたい」と思ってしまうと、それはただの願望になってしまいます。
統計から導かれる“現実的な目標”を設定することが、トレードの安定化には欠かせません。
🔻 損失幅の決め方:TPに対して1/2〜1/3が基本
リスクリワード比の基本パターンは…
- 1:2(損失幅1に対して利益幅2)
- 1:3(損失幅1に対して利益幅3)
たとえばTPを210PIPSに設定するなら、
- SL(ストップロス)は105PIPS(1:2)
- または70PIPS(1:3)に設定することで、損小利大の構造を維持できます。
リスクリワードがもたらす“心理的な余裕”
このようにリスクリワード比を用いた戦略を事前に決めておくことで、
1回1回のトレードの勝ち負けに振り回されず、期待値ベースで淡々とトレードを続けられるようになります。
- 勝てばラッキー
- 負けても想定内
- 長く続けるほど、期待値に収束していく
この考え方が身につけば、
「損失が怖い」「エントリーが不安」といった感情も次第に薄れ、
むしろ損切りすら“資金を守るための当たり前の動作”として受け入れられるようになります。
✅ まとめ:ベストタイミング × 冷静な損益設計
- エントリーポイントは「1か所だけ」と割り切る
- トレンド発生のサインが確定した次のローソク足の始値が狙い目
- 利益幅と損失幅は事前に上位足の統計で設計しておく
- リスクリワードを使えば、勝ち負けに関係なく“期待値”で資金を増やせる
第5章|よくある失敗とその回避策
──すべての失敗は「数学的根拠の欠如」に集約される
FXで勝てない原因を探すと、多くの人が「感情」「タイミング」「損切りミス」など、表面的な問題に目を向けがちです。
しかし、実はそれらのほとんどが、たった一つの根本的な原因に集約されます。
それは──
「自分のルールに、数学的に勝てる根拠がないこと」。
✅ まずは過去チャートで“勝てる場所”を言語化せよ
トレードで本当に勝ちたいなら、まずは過去チャートで勝てる形(パターン)を見つけ出すことから始めてください。
「なぜここで勝てたのか?」を明確に言語化し、ルールとして定義するのです。
そのルールができたら、別の時期のチャートでも同じパターンで再現性があるかを検証します。
勝率を数値として出せれば、ようやくそこに数学的根拠=期待値が生まれます。
✅ リスクリワード比と勝率の関係を知っておく
ルールを作っても、勝率とリスクリワードのバランスが悪ければ期待値はプラスになりません。
以下の関係性を把握しておきましょう。
リスクリワード比 | 必要な勝率(収支トントンライン) |
---|---|
1:2 | 33.3% |
1:3 | 25.0% |
あなたのルールが25%〜33%の勝率なら…
→ リスクリワード比 1:3 に設定してトレードしましょう。
あなたのルールが33%以上の勝率なら…
→ リスクリワード比 1:2 でOKです。
この関係を守っていれば、トレードすればするほど資金が増えていく構造を作ることができます。
✅ 「怖くて入れない」「損切りが遅い」──すべては“数学的な不安”が原因
- 怖くてエントリーできない
- 損切りが早すぎてすぐ逃げてしまう
- 逆に損切りできずにドカン負けする
これらはすべて、“このエントリーに勝算があるかどうかが曖昧なまま”取引しようとしている心理状態に由来します。
言い換えれば、数学的に勝てる見込みがはっきりしていないから不安になるのです。
数字の裏付けがあれば、感情は驚くほど静かになります。
✅ トレードは「お金のやり取り」ではなく、まず「数字のやり取り」
トレードは感情勝負ではありません。
それ以前に、数字を扱うゲーム=統計と期待値の勝負です。
勝つべくして勝つには、次の順序を守ることが重要です。
- 計算で勝つ(期待値のあるルールを作る)
- デモトレードで検証(相場で通用するかを確認)
- 実弾で実行(感情を交えずにルールを繰り返す)
✅ まとめ:失敗を克服するたった1つの方法
トレードにおける失敗──
それは「タイミング」や「感情」の問題ではありません。
すべては、数学的に勝てるという裏付けがない状態で取引していることが原因です。
この“構造的な不安”を取り除けば、
エントリーの恐怖も、損切りの迷いも、資金の増減への動揺も、驚くほど消えていきます。
次章では、「トレンド相場とレンジ相場をどう見分けるか」についてお話しします。
どんなに優れた戦略でも、相場の“地形”に合っていなければ期待値は崩れます。
今使っている手法が“いつ効きやすいのか”を見極める力を一緒に養いましょう。
第6章|トレンド相場とレンジ相場の見分け方
──“今が仕掛けるべき相場か、待つべき相場か”を見極める力
トレンドフォロー戦略を成功させるには、今の相場が「トレンド相場」なのか「レンジ相場」なのかを的確に判断する力が不可欠です。
どんなに優れたエントリーパターンを持っていても、レンジ相場で仕掛けてしまえば、ダマシにあい、損切りが増えるだけです。
だからこそ、戦うステージの選別=地形の把握が重要になるのです。
✅ 基本の見分け方:ローソク足の“高値と安値”に注目
相場の形を判断する最も基本的な方法は、ローソク足の「高値」と「安値」の動き方に注目することです。
相場の種類 | 判断基準 |
---|---|
上昇トレンド | 高値と安値が共に「切り上がっている」 |
下降トレンド | 高値と安値が共に「切り下がっている」 |
レンジ相場 | 高値・安値ともに「更新されていない」、一定の幅で往復している |
📌 チャートを開いた瞬間に、
- 高値更新 → 高値更新 → 高値更新… と続いていれば上昇トレンド。
- 安値更新が続いていれば下降トレンド。
- 両方とも停滞し、上下にジグザグしていればレンジ相場。
これが最もシンプルで有効な判断軸です。
✅ ダウ理論を使えば、より信頼性が高まる
トレンドの定義を明文化した「ダウ理論」も併用すると、見方の精度がさらに上がります。
- 上昇トレンド:「直近高値」と「直近安値」がともに更新されたとき
- 下降トレンド:「直近安値」と「直近高値」がともに切り下がったとき
ローソク足単体の動きだけでなく、“節目の更新”を基準にすることで、ダマシに巻き込まれにくくなります。
✅ 時間足を切り替えると“地形”が見えてくる
1つの時間軸だけを見ていると、トレンドに見えていたものが実はレンジの一部だった…ということもよくあります。
たとえば…
- 8時間足では上昇トレンドに見えていたが、月足で見るとレンジ相場だった
- 1時間足では明確な上昇だったが、日足ではレンジ相場だった
📌 上位足で“地形”を確認 → 下位足で仕掛ける
このトップダウン分析の考え方を使うことで、「今はトレンドを狙える相場なのか? それとも待つべき相場なのか?」が明確になります。
✅ インジケーターを補助的に使うと視覚的に楽になる
ローソク足や高安の更新を見るのが苦手な人は、移動平均線(MA)や一目均衡表などを補助的に使うのも手です。
- 移動平均線が右肩上がり → 上昇トレンド相場の可能性が高い
- 移動平均線を中心にローソク足が上下移動→レンジ相場の可能性が高い
- 一目均衡表の基準線が一直線→レンジ相場の可能性が高い
ただし、インジケーターは「補助的な目安」であり、判断の主役はあくまで値動きそのもの(プライスアクション)であることを忘れないでください。
✅ レンジでは“仕掛けない勇気”が必要
最後に強調したいのは、
レンジ相場では「待つ」が最良の戦略になることが多いという点です。
レンジ相場の中でトレンドフォローを狙っても、値幅が限られており、利益を伸ばす前に逆行で損切りにあう可能性が高いです。
📌 「トレンドが出たら乗る」という戦略を使うなら、「出ていないときは何もしない」のが勝ち続ける鍵です。
✅ まとめ:勝つためには「戦うステージ」を間違えないこと
- 高値・安値の動き方を基準に、トレンドとレンジを見極めよう
- 上位足の“地形”を見ることで罠を回避しやすくなる
- レンジでは無理に仕掛けない──待つ勇気があなたを守る
次章では、これまで紹介してきた知識とサインを使って、実際に私がトレンドに乗れた場面の実例をご紹介します。
戦略がどのように現実の相場に当てはまるのか、チャートと共にお見せします。
第7章|あまちゃん式1日3回チェック手法:トレンドに乗る実践例
ここでは、私が実際に行っているあまちゃん式1日3回チェック手法を使った最新5件のトレードを通じて、
「トレンドにどうやって乗るのか」「乗ったあとの心理はどうか」をリアルに紹介していきます。
✅ 基本ルールのおさらい
- 通貨ペア:ドル円推奨
- 時間足:8時間足チャート
- チェックタイミング:7時・15時・23時(夏時間は6時・14時・22時)
- エントリー条件:ローソク足が9MAを突き抜けて確定(上抜けでロング、下抜けでショート)
- 利確・損切設定:エントリー直後にTP・SLを設定。ルールに基づき基本はホールド
📈 トレード①|2025年6月25日22:00 ロング → ストップロス

エントリー:145.888
SL:145.188
TP:147.988
決済:ストップロス(6月26日3:43、自動決済)
理由:14時~22時のローソク足が9MAを下から上に突き抜け、陽線で確定。
「引かされた感じがするな…」と感じつつも、ルール通りにロングエントリー。
感想:結局、夜中に自動決済されて損切り。やっぱりな、という結果だったが、ルール通りに行動した自分には後悔はない。
📉 トレード②|2025年6月26日6:00 ショート → テイクプロフィット

エントリー:145.148
SL:145.848
TP:143.048
決済:TPヒット(11本目のローソク足で利確)
理由:22時~翌6時のローソク足が9MAを上から下に突き抜け、陰線で確定。ショートエントリー。
感想:途中で何度も不安に襲われた。
2本目の下ヒゲは、「決済した方がいいのでは…」と感じたが、ホールドを貫いた結果、しっかりとTP到達。
利益が出る時ほど、到達までに時間がかかる──それを実感した1本。
📈 トレード③|2025年7月2日22:00 ロング → 手動損切

エントリー:143.891
SL:143.191
TP:145.991
決済:143.558(翌6時のチェックで手動損切)
理由:14時~22時のローソク足が9MAを下から上に突き抜けて確定。
感想:翌朝のチェックで、9MAを下に割り込んで確定していたためルールに従って手動で損切り。
ルールがあるからこそ、迷いなく切れた。
📉 トレード④|2025年7月3日6:00 ショート → 手動損切

エントリー:143.558
SL:144.258
TP:141.458
決済:143.852(14時のチェックで手動損切)
理由:22時~翌6時のローソク足が9MAを上から下に突き抜けて確定。
感想:14時のチェックで、9MAを再び上に抜けて確定していたためルール通り手仕舞い。
方向感の乏しい展開で、「やっぱり手仕舞っておいてよかった」と思える損切りだった。
📈 トレード⑤|2025年7月3日14:00 ロング → ポジション保有中

エントリー:143.851
SL:143.151
TP:145.951
決済:未決済(7月5日時点)
理由:6時~14時のローソク足が9MAを下から上に突き抜けて陽線で確定。
感想:21:30の米経済指標発表で、たった5分で100PIPS超のドル買いが発生。
正直、あのとき手仕舞っていれば完璧だったと思うが、ルールに従ってホールド。
しかしその後、ドル買いの勢いが失速し、円買いが強まる展開に…。
「あのとき手仕舞うべきだったのか」「このままTPに届くのか」──
そんな葛藤を抱えつつも、最終的には“ルール通り取引することこそ期待値を積む唯一の道”と信じてポジションを維持している。
✅ トレンドに乗っていても“心は揺れる”。だからこそ、ルールが要る。
ここまでのトレード例からわかるのは、
- 損切りはすぐに来る。利確は、遠い。
- 感情は、利益確定より前にやって来る。
- だからこそ、ルールがないと“正しく怖がれない”。
あまちゃん式1日3回チェック手法は、
「確率で勝つための“型”を持つ」ことで、感情を封じ、
期待値に沿って淡々と資金を積み上げることを目的としたトレード手法です。
次章では、今回の検証結果を踏まえ、この手法をどう改善し、今後どう活用していくべきか?
私自身の視点でまとめを行います😊
最終章|まとめと今後の展望
──“トレンドに乗る”とは、相場に委ね、自分を律すること
FXで「トレンドに乗る」とは、一見するとシンプルな言葉ですが、実際にそれを実行するのは簡単ではありません。
乗るべき時に乗り、乗ったあとも降りずに持ち続ける。
その過程には、感情との向き合い・相場との距離感・自分との信頼関係が問われます。
✅ 本記事の要点ふりかえり
- トレンドに乗る=流れに先んじて仕込むことであり、急騰・急落を追いかけることではない
- トレンドの始まりには、明確なサイン(MAクロス・ピンバー・始値逆抜け)がある
- ルール+リスクリワード比+過去検証が揃って、初めて“数学的に勝てる構造”が完成する
- レンジ相場では仕掛けない勇気も重要
- トレンドに乗ったあとは、感情に負けずルールに従い抜くことが期待値を最大化する
✅ あまちゃん式1日3回チェック手法の価値
私自身が実践している「あまちゃん式1日3回チェック手法」は、
- 8時間足チャートという“感情を削ぎ落とせる”時間軸
- 1日3回という“生活に取り入れやすいルーティン”
- 9MAをベースにした“シンプルで再現性のあるルール”
という特徴を備えた、“誰にでも実行可能な”トレンドフォロー戦略です。
直近5回の検証結果でも明らかなように、
損切りはあるものの、期待値ベースでプラスを積み上げられる設計になっており、
それを支えているのは感情ではなく「ルールと確率」です。
✅ 今後の展望:検証を積み重ね、“確信”に育てていく
今後も私はこの手法を継続し、
- 通算勝率
- リスクリワード別の成績比較
- トレンド発生率やダマシの発生傾向
といったデータを積み上げながら、より高精度なトレードスタイルへと磨き上げていくつもりです。
FXは“確信のゲーム”です。
自分が信じるルールを、信じられるだけの検証を積み上げた者が生き残る世界。
そしてその先に、自由な時間・経済的安定・そして自己実現の舞台が広がっていると私は信じています。
✅ 最後に:読者のあなたへ
ここまで読んでくださったあなたは、きっとFXで“真剣に勝ちたい”と願う方だと思います。
であれば、ぜひこう考えてください。

「トレンドに乗る」とは、相場の波に乗ることであり、同時に“自分のルールに乗る”ことでもあると。
勝つための道は複雑に見えて、実はとてもシンプルです。
ルールを作る → 検証する → 守る
その繰り返しが、唯一無二のあなたの「勝ちパターン」を生み出してくれます。
この記事が、あなたのその第一歩になれば嬉しいです😊