「今の相場はトレンド?それともレンジ?」
FXや株の世界でこんな疑問を持ったことはありませんか?
相場には大きく分けて「トレンド相場」と「レンジ相場(ボックス相場)」の2種類があり、見極め方を間違えるとエントリーの方向性そのものがズレてしまいます。
そこで注目されているのが「一目均衡表」というインジケーターです。
本記事では、
- トレンド相場とは何か?
- レンジ相場との違い
- インジケーターを使った見分け方
- トレンド相場が終了したと判断する方法
- 実際のチャートでの判断例(USD/JPY)
などを、一つずつわかりやすく解説していきます。

特に「トレンド相場とレンジ相場の見分け方」「一目均衡表の実戦活用」に悩んでいる方にとっては、即戦力となる内容です。
記事の後半では、値幅を使ったレンジ内トレードの戦略や、トレンドへの切り替わりの兆候も実例チャートで紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
一目均衡表でトレンドとレンジを見分ける基本原理
チャートに描かれる2本の線に注目
トレンド相場とレンジ相場の見分け方は、一目均衡表を使うことで瞬時に判断がつきます。

このチャートには一目均衡表が描画されていますが、注目してほしいのは青色の転換線と赤色の基準線です。
- 転換線(青):過去9本分の最高値と最安値の半値
- 基準線(赤):過去26本分の最高値と最安値の半値
傾斜がつく=トレンド、横ばい=レンジ
この2本の線が傾いていればトレンド相場、横ばいならレンジ相場です。
例えば、過去9本のローソク足で高値が145円、安値が144円の場合…
(145+144)÷2=144.5円
この値が変わらなければ転換線はずっと横ばい=相場が動いていない=レンジと判断できます。
レンジ相場での一目均衡表の使い方と戦略
基準線・転換線はレジサポになる
レンジ相場に切り替わると、転換線と基準線はサポートラインやレジスタンスラインのように機能します。そして、そのラインを中心に上下に値動きが発生します。
値幅を使って狙うレンジトレードの実例

具体的な価格(2025年5月30日頃のUSD/JPY 8時間足)で見てみましょう。
- 直近最安値:142.101
- 直近最高値:146.274
- 基準線(中央値):144.1875
ローソク足は基準線を下回り、142.364で反発上昇しました。
よって、
144.1875 − 142.364 = 1.8235円
この下落幅と同じだけの値幅が上昇する可能性があり、
144.1875 + 1.8235 = 146.011円
というように、レンジ内の往復の値幅を使ってトレード戦略を組み立てられます。

もちろん必ずそうなるわけではなく、再現性のあるパターンとして参考にしてください。
レンジからトレンドへ切り替わる兆候を見抜く方法
転換線と基準線の傾きの変化に注目
次に、レンジ相場から上昇トレンドへ移行する例です。

レンジ相場から上昇トレンドへ推移する様子が伺える
転換線 → 基準線の順に、横ばいから傾斜のある線に切り替わるのが分かります。
- 転換線は期間が短いため先に動く
- 基準線は後追いで変化を見せる
このように一目均衡表を見ていれば、トレンドの発生・継続・終了の兆候を把握しやすくなります。
一目均衡表の5本線とそれぞれの意味
5つの補助線の機能と特徴
- 転換線:過去9本の高値と安値の中央値
- 基準線:過去26本の高値と安値の中央値
- 先行スパン1:転換線と基準線の平均値を未来に26本ずらして表示
- 先行スパン2:過去52本の高値と安値の平均値を未来に26本ずらして表示
- 遅行線:現在の終値を26本前の位置に表示
「雲」は先行スパン1と2の間にできる抵抗帯
先行スパン1と2の間にできる帯状のゾーンを「雲」と呼びます。
この雲がトレンド相場時のサポート・レジスタンスゾーンとして使われます。
一目均衡表の好転・逆転とトレンド転換の見極め
見極め方その1 転換線と基準線の好転・逆転
- 好転:転換線が基準線を下から上に抜ける(=上昇トレンドの兆候)
- 逆転:転換線が基準線を上から下に抜ける(=下降トレンドの兆候)
見極め方その2 先行スパン1と2の好転・逆転(雲のねじれ)
- 好転:先行スパン1が下→上、スパン2が上→下に切り替わる
- 逆転:先行スパン1が上→下、スパン2が下→上に切り替わる
※MT4/MT5ではチャート右クリック→「チャートシフト」で先行スパンの未来表示に対応
見極め方その3 遅行線の好転・逆転
- 好転:遅行線がローソク足を下から上に突き抜ける
- 逆転:遅行線がローソク足を上から下に突き抜ける
三役好転・三役逆転とは?最も強いシグナル
三役好転=買いシグナルが3つ重なった状態
- 転換線と基準線が好転
- 先行スパン1と2が好転
- ローソク足が雲を上抜け
この3つが揃った状態が「三役好転」で、強い上昇トレンドの発生サインとなります。
三役逆転=売りシグナルが3つ重なった状態
- 転換線と基準線が逆転
- 先行スパン1と2が逆転
- ローソク足が雲を下抜け
この3つが揃った「三役逆転」は、下落トレンドの本格化を示す重要なシグナルです。
まとめ|一目均衡表の動きから“相場の気配”を読み取ろう
一目均衡表は「線が多くて難しそう」と思われがちですが、転換線と基準線に注目するだけでも、レンジかトレンドかを瞬時に判断するツールとして活用できます。
さらに、雲・遅行線・先行スパンを組み合わせることで、相場の勢いや転換ポイントを予測する強力な武器となります。

💡 ぜひMT4やTradingViewで実際に描画しながら、傾きや横ばいの変化を観察してみてください。
相場の“呼吸”が見えるようになってきますよ。